ネクロスについて⑤番外編

先日ネクロスについて①~④を書き、自分でも構築やプレイを見直してみました。
公認大会レベルではありますが、いくつかわかったことがあるので雑感としてまとめていきます。


9月の公認大会は旧制限で、構築としては新制限により近づけるためにシュリット1枚、そしてマンジュ・ゴッドを2枚、という旧制限と新制限の悪いとこ取りになってしまいました。
シュリットが制限でどこまで回せるのか、初動の万能札を減らして状態だとどこまで影響があるのかを確かめるにはいい機会だったと思います。CSのような大規模非公認大会では新制限に移行しているため、そういった実験的なことが出来るのもある種ラッキーでした。

a.シュリット制限の影響
これは時と場合によりますが、多かれ少なかれあります。まず第一に素引きがしにくくなったため、劣勢に立たされるとシュリットからの連続展開で逆転、のようなことも出来なくなりました。特に彼岸に対してダンテと沈溺を構えられてしまうと超えることがむずかしく、手札を枯渇させないように序盤から器用に立ち回ることが重要になったと思います。増援のサーチ先が減ったのも、終盤になったときにパワーカードのはずの増援が腐るという場面に出くわすことがあり、思わぬ影響がデッキ内に及んでいることも体感出来ました。

b.負けパターン
環境デッキである【EMEm】に対して、もっとも多く負けるパターンとしては先攻ルーラーによるイージーゲームでした。手札誘発もルーラーに対してヴェーラーを使わないといけないので、ある程度の展開を許してしまうこともマイナスです。これは、構築段階でなんらかの対策をもう少し練らなければならないと感じました。ルーラーを使ってくるデッキは【EMEm】だけではないので、それらに対しても回答を用意しなければそれだけで負けることに繋がります。少し弱い案でも、採用してみる価値はあると思いました。
【彼岸】に対しては元々相性としては悪くないので、罠を剥がしつつユニコールを経由しアザトートや深淵を立てて、1キルまで持っていけなくてもリソース切れによる2ターンキル狙いや手薄になったところにリリーサー絡みのモンスターを詰みとして出せば勝てる確率はより上がります。全体を通して、お互いのリソースを確認しつつ狙う場面とそうでない場面の見極めでゲームが決まる印象でした。
【EMEm】と同レベル、もしかしたらもっと相性が悪いかもしれないのが【帝】です。まずリリーサー絡みの儀式を簡単に処理されてしまうこと、出てくるモンスターのサイズが大きくトリシューラでは戦闘に弱いこともあり出しにくくなっていること、ザボルグにより万華鏡が使えなくなることなど、ネクロス側の土俵には持ち込ませてくれません。よほどうまく手札誘発を当てるか、先攻展開の質の差などで勝てることはありますが、全体的に苦手意識があります。思考時間が長いのも特徴で、ETに持ちまれてしまうとライフを取りにくいネクロスでは厳しい場面があります。
サイドによる対策も、メジャーな生け贄封じの仮面だと自分にも影響が出てしまうため、別途考える必要性があります。

c.勝敗の分け目
ヌトスの登場により、万華鏡ユニコールで落とすモンスターの種類が増えました。そのことで、ユニコールを出すときに選択肢が生まれ、その選択のミスは即敗北に繋がります。わたしもこの選択ミスで敗北を喫したので、思いの外重要だと思いました。盤面だけ見ると一択だと思っていても、実際よく見て考えてみると、裏目の存在に気づき急遽変える場面もあります。
もう1つの分け目は、仕方ない部分もありますが手札誘発の有無です。初手にあるかないかでもう勝敗の9割が決まります。【EMEm】【帝】に対しては特に顕著です。初手に手札誘発がなく、盤面に対しての回答がなかったら素直に諦めましょう。本来ならこういった「引きゲー」にならず、常に一定の安定性とプレイング優勢のデッキが、手札誘発の有無という構築段階から縛られ、そして初手への運ゲー感を強めるというのは皮肉だなと感じました。それだけ現環境デッキが作る盤面の強さが半端なものではない、ということだと思います。


最新のCS動向を見るとネクロスも大幅に数を減らし、前環境のシャドールのような立ち位置に変化していっている印象です。入賞者もちらほら出てきてはいますが、環境デッキの一角に戻ることは余程のことがない限り難しいでしょうか。今後の動向に期待して研究を続けていきたいと思います。