白黒シャドール-2019環境-③

前回及び前々回からの続きとなります。構築は前回に載せてあるので、そこから考えていきます。

a.各カードの役割の詳細
前回レヴィオニアを増やし、また幽鬼うさぎを新たに追加しました。
ですが、具体的な役割等を記述していなかったため、今回は白黒シャドールにおける各パーツの解説になります。
当たり前だと思っていることも、少し違った観点から見ることで考え方が変わるかもしれません。

①エクリプスワイバーン
白黒の利点はこのカードに尽きます。ということは複数の役割を持っているということでもあります。
主に3つの役割があります。

x.初手~序盤
このタイミングで墓地に落とせた場合、除外するのはダムドになります。
これはダムド自身が終盤腐ること、早いうちにデッキから抜いておくこと、出せた場合は即勝ちに繋がることなどからです。
デッキ圧縮にも繋がり、エクリプス自体の効果を妨げる妨害札とも交換でき、それでいてダメージが少ないのは利点といえます。
ダムドは元々出せればラッキー、程度のカードなので早期に出せるor出せないの判断を下すためにもゲームの序盤に抜いておきたいところです。

y.中盤
この場合はレヴィオニアになります。最もプレッシャーをかけることができ、サーチに成功すれば大きく盤面を動かすことが出来るタイミングです。
墓地もそこそこ肥えていて、想定される展開状況からも優先度は高いです。
そして何よりも重要なのが「レヴィオニアでエクリプスを除外しレヴィオニアをサーチする」動きです。
脅威を二段階にすることで相手の動きを制限する役割をこなし、墓地の枚数に関してもこのタイミングであれば光や闇も増えているはずなので2T連続での脅威を叩きつけることができます。
前回の構築でレヴィオニアを増やしたのはこの動きをしやすくするためです。無論開闢でもこなせますが、盤面制圧が弱くなります。

z.終盤
ここまでくれば、またはきてしまったら、対象は混沌帝竜になります。
打点の追加、不利盤面の打開、バーンによるトドメ、出しやすさなど様々な要因から導き出せます。
また単純に立っているだけでも相手側に回答を要求でき、勝負を決することを意味します。終焉竜でない理由はここにあります。

このようにエクリプスは時系列によってサーチ対象を変える必要があるカードであり、盤面の見極めが重要です。

②白黒竜
コラプワイバーはセットとして扱われますが実際は全く違う役割を果たします。
ワイバーはコラプを持ってくること以外に、手札に抱え込んでもネフィリムの融合素材としての役割があります。コラプは逆で、手札に抱え込んでもいいことがないのでエクリプスの除外に徹する形になります。

③シャドール
必要最低限となっています。特に重要なのがヘッジとファルコンです。
ネフィリム融合召喚する場合、最も理想的なのがヘッジを素材とした場合です。ネフィリムの効果でリザード→ビースト、ヘッジの効果でファルコンをサーチすることでNS権をファルコンに割くことができ、安全に墓地の枚数を調整出来るとともに、ファルコンの効果でビーストを呼ぶ準備も整います。
そしてなによりネフィリムが光であることが重要で、ネフィリム融合召喚が成功し効果を発動できればそれだけでレヴィオニアのSSが可能になります。ネフィリムが倒されても融合を回収、レヴィオニアで盤面除去、レヴィオニアとシャドールでミドラーシュを出し蓋をすることが出来ます。
こちらにはエクリプスを経由することで用意出来るカードがあるので、実際ミドラーシュが除去されても融合回収からまた脅威をもつカードを出すことが出来ます。

④レヴィオニア
白黒型の要です。このカードがなければ構築する意味がないレベルです。あらゆる状況を打破出来る可能性があり、かつこのデッキのキーカードでもあります。
ヴィオニアの効果は3つですが、主に光と闇を除外した場合の効果になります。状況によっては闇除外のみの場合もありますが、効果を「使わない」選択肢も生まれます。攻撃に転じる際はもちろん、後述するプランにおいても重要なポイントです。
エクリプスのサーチ先をこのカード専用にしてしまうと戦術としては悪手なので、散らすことを推奨しています。

⑤その他
ゲームプランに対し、相性のいいカードを選択しています。
特に顕著なのがツイツイです。これは相手のバックを割ることよりも、手札、墓地の調整も兼ねています。複数枚積まないのは永続罠で止まる想定した場合、打開策を積むことになり結果的にデッキ自体のパワーを落としたくないからです。
また、手札誘発に関しても盤面に影響を与えない増Gは外し、幽鬼うさぎを優先し、少しでも盤面の脅威を減らす選択をしています。もちろんコストとしての役割も果たしています。

b.具体的戦術面
先攻の場合はミドラーシュによる盤面制圧を狙います。そのため、シャドールモンスター以外の闇属性モンスター、融合が手札にあるときは積極的に狙いにいきます。ミドラーシュを絶えず盤面に出し続けること、及び維持しレヴィオニアを筆頭としたカオスモンスター陣で戦線を作っていきます。虚無空間もあればベストに近いです。
後攻の場合は盤面捲りから始まるので、ネフィリム等のモンスターからデッキを回転させます。
また前述したレヴィオニアの役割の部分は、ネフィリムとの混合戦略です。効果を使ったレヴィオニア、攻撃したネフィリムによって盤面上の脅威を排除し、EXに入っているフェルグラントで蓋をしつつ融合回収に動きます。
フェルグラントならばいつでも素材を切ることが出来るので、融合回収もしやすく、また打点、属性などの面からデッキ本体との親和性も高いです。
ただし現環境で後攻から捲ることは難しいので、プレイングや引き、盤面の見極め等、ハードルが上がることには注意です。

c.以上を踏まえて
白黒シャドールは現状レヴィオニアを主軸に据えなければまともにやりあえないレベルで頼っている状況です。終焉竜ではなく混沌帝竜にしているのも、盤面打破に最も影響を与えることが出来うるからです。よって、2014年時点での白黒シャドールよりもパワーダウンした部分をレヴィオニア等で補い、出来る限りEXモンスターに頼らず戦う構築になっています。
リンクモンスターは白黒竜と相性がいいですが、EXモンスターゾーンを埋めてしまうことの危険性、特に相手ターンにおけるミドラーシュの擁立が要となってくる場合はメインデッキで戦うプランの構築が有利となります。

d.まとめ
構築を根本から見直し、先攻後攻問わず環境デッキとやりあうにはこの方法しか現状見当たらず、個人的に不要なカードを極力削ったものになっています。
それが幸をそうするかどうかは別として、型が多いシャドールというアーキタイプで白黒型を選択するのであれば、こういった形も一つある、というものになります。
個人個人で構築を見直し、環境デッキと対等に渡り合うためにも、考慮すべき部分はあると思います。
デッキパワー差は埋められなくてもプレイングや構築段階でその差を出来る限り縮め、理想的な動きが出来るよう仕上げていく必要がある、研究しがいのあるタイプだと思います。
次回はまたこの構築から得たマッチングから書いていきたいと思います。