アンケートから見る想定盤面と選択肢-本当の安定択とプレイスタイル-

Twitterのアンケート機能により、以下の質問をしまし、結果がでました。
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まず書くにあたって、あくまで意識調査なので
・具体的な環境
・相手のデッキタイプ
・ライフ差
・ビュートの表示形式
・何ターン目なのか
・自分の把握できているリソース
・何戦目なのか、残り時間 etc
といった詳細な状況は書きませんでした。
書いてしまってもよかったのですが、書かない方がプレイヤーそれぞれが自由に考えることができ、気がるさも増すと考えました。
このシンプルな状態からどう考え、どう選択をするプレイヤーが多いのかというのが重要、の判断からです。

a.結果考察の前に
一見、与えられている情報は少なく、「こんな状態からでは判断出来ない」というプレイヤーも少なくないはずです。
ですが、そう断定する前に「与えられている情報から、どこまで想定出来るのか」を考えていく方がいいと思います。
この質問の場合

①自分のデッキ内に少なくとも4種4枚のHEROが残っている可能性
②相手はビュートをエクストラに入れていて、かつ出すことが出来るデッキである可能性
③相手はビュートの効果を使うことが出来る状況であり、盤面の枚数的に不利だった、もしくは使う前は同数でビュートのSSで枚数が減った可能性

と、少し考えるだけで3つの可能性が生まれます。

ここからもう少しそれぞれ掘り下げると
①はデッキ内リソースが残っている、つまり自分は事故を起こしているか序盤であるか、全く別の展開方法を使ったか、回収した等である可能性
②はランク4主体のデッキ、もしくはそれに準ずるギミックが積まれているデッキである可能性
③は少し無理矢理ですが、手札が0であることから展開した上でのビュートである、またはリソース管理が下手か

という解釈も出来ます。

ここで、自分はいったいどういった状況下を想定し、カードを選んだのか、ということを今一度確認してみると
「ここまでしてたらもっと違う選択をした」
「深読み、こじつけすぎる」
「もっといろいろ考えられる」
などの意見も生まれるかもしれません。

b.結果考察
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上から順番に見ていきましょう。

エアーマン
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妥当なところだと思います。普通に何も考えず、または深く考えても、どちらにせよ取りうる選択でもっとも安定択でしょう。
NSからバブルマンをサーチ、エクシーズによってビュートを除去、返しのトップで逆転されなければそのまま流れを持っていける可能性まで考えられます。
安定択とは書きましたが、エアーマンを選んだ人は多かれ少なかれ自分が「勝っている状況」の想定ではないでしょうか。
カステルなどでビュートを退かす、ライトニングで打点を取りに行く、ダークリベリオンで攻撃力を得ながら、とにかくそういったライフ差を詰める意識。あとはフレシアやジャイハンといったモンスターで様子見の選択をしても問題ない程度の余裕がある、などなど。
また、仮に「負けている状況」でも同じ。エアーマンに繋げることでなんらかの打開策を得られる可能性は高いです。
なので安定志向、よく考えてプレイをしているタイプのプレイヤーだと思います。

・シャドーミスト
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この状況でシャドーミストに繋げる人は、ETを想定?しているのか、とにかく時間を稼ぎたいのか、そういった想定ではないでしょうか。単純になんとなく、やネタで、という人の方が多いかもしれませんが。
サーチして守備でセットすれば、モンスターを引かれない限りライフは守れますし、戦闘破壊されればサーチに加えて次のドローがあるので、可能性が広がります。相手のトップでなんらかのカードを追加で引かれてもライフ差がついていれば勝ちのETで無理をしない、確実に勝てる見込みがあるなどなど。
そういった想定であれば、盤面以外を気にすることが出来る、場慣れしたプレイヤーでしょう。

・バブルマン
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一番やっかいなのがこの選択肢です。
書かれている状況から、バブルマンのドロー効果が通ることは確実といえるので、アドバンテージ差を一気につけて引いたカード次第ではそのまま勝つことも出来る可能性があります。
リプで頂いた回答では
「バブルマンをサーチしてSSし2ドロー、そこでブラホと二枚目のバブルマンを引く」
といったものがありました。これを例にすると、二枚目のバブルマンでエアーマンと蘇生が引ければ相手が8000あってもワンキル出来ます。これはバブルマンならではの可能性です。
他にも引いたカードによって取りうる選択が大幅に変化するのですが、ここで想定される状況は
「バブルマンのドローに賭ける以外に勝つ手段がない」
「状況が状況なのでせっかくだからバブルマン」
のどちらかかと思います。
後者の想定の方は気軽に考えていただけているので、普段から「遊戯王というゲーム」を楽しめてるプレイヤーやアニメファンなどが考えられますが、考察する上で重要なのは前者の場合です。

先ほど安定択としたエアーマンではなく、バブルマンのドローに賭けるということは追い詰められている、または例とした場合のように「ドローによって勝つ手段がある、勝てる自信がある」や、全く別の発想になるので広げませんが「混ぜ物」としてHEROを考えている場合などもバブルマンを選択する可能性がありえます。

いずれにせよ、安定択でないが故に総じて不安定であり、思いきった行動であることはたしかでしょう。しかし、リターンも大きい。2ドローも出来ればなにかしらの行動は取れます。
この狭間で実際どう考えるのか、この選択に至るための盤面の想定はどんなものだったのか、そこを整理してみるといざというときの備えも考えられます。

・ブレイズマン
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この選択を取ったプレイヤーは可能性として「テキスト把握ミス」が挙げられます。
ブレイズマンの効果は①②、1ターンに一度、どちらか一つしか使えません。また、②の効果使用後は融合モンスターしかSS出来ません。
ここを把握していなかったために選択してしまったなら、もう一回そこを踏まえて考えてみるのもいいと思います。ネタで、という目的でも同じです。

しっかりとブレイズマンを選ぶ理由としては、シャドーミストを墓地に置いておくことで次のターン以降蘇生札を引いても展開出来るようにし、かつデッキ圧縮を行う、という目的が考えられます。ただし、これも「勝っている、優勢である」状況の想定であり、明らかに劣勢の場合には選択肢として取れるものではない、と思います。

c.結果から個人的に
基本的には二択だったと思います。エアーマンか、バブルマンか。他の二つ、シャドーミストとブレイズマンはある種のダミー回答のようなものでしょう。正解不正解を問うたわけではないので、ダミー回答にいれている方がいたのも気がるさを証明するのにいい感じでした。

エアーマン派のプレイヤー、バブルマン派のプレイヤー。割合として差が開かなかったこと、各自で考察していただいていたプレイヤーの意見等も含め、

エアーマン
傾向として、ビュートを返したあと、どう返されないか。また、ビュートが攻撃表示である、という風に考えているのか、それともエクストラの選択肢が狭まった状況を考えているのかはわからないがライトニングに繋げる、という回答が多かったように感じた。ライフ差を意識したプレイが重視されている感覚。
・バブルマン派
傾向として、なぜ自分がそういう盤面になったのか、バブルマンで引いたカードがなにかによるとしても、逆転可能なカードが残っているという考え。罠を引いていなす、という回答もちらほら。ドローでワンチャン、のような博打的要素も考慮内であり、構築段階から意識。

もちろんプレイヤーの数だけ思考はあるので、あくまで個人的に感じた傾向の一例として、です。

選択肢外ではありましたがアナネオで相打ち、エマコじゃなくてミラクルフュージョンを引いてくる、などもあり、様々な構築や発想が面白いと思いました。ミラクルフュージョンは墓地リソースが不明な分博打要素が強まったり、アナネオは歴が長いプレイヤーは考えても無理はないです。それだけ枠にとらわれない柔軟性は楽しむ要素においては必要になるものだと思っています。

d.まとめ
今回はHEROを元に、たくさんの人にご協力いただけて考察が出来たのはとてもありがたかったです。シンプルな分、個々人での深いところまでの状況分析はそれぞれの個性、プレイスタイルが見えてくる非常に大きな部分です。

現環境でプレイしているプレイヤー、特に9期は安定択というものが大きく考えられている傾向が強い、と思います。
Twitterなどでの「相手のデッキ枚数、デッキタイプは不明、この初手からどう動くか」といった質問や、アンケートが多いのもうなずけます。安定択は勝負である以上持っておくべきものだと考えていますが、同時に固定観念にとらわれないものも必要です。
その「安定択」とした選択は本当に合っているのか、逆に「安定択」としなかった選択をした場合はどうなっていたのか、などのフィードバックはもちろんのこと、そこからテーマや構築以外の部分、自分のプレイ傾向というものをつかめたら、もっと面白くなる、考えやすくなるのではないか、と思います。
普段から考えてプレイをしているプレイヤーとしては物足りない考察かもしれませんが、考える方向としてどうするのがベターなのか、というのを選択肢を広げて考えていくのも、プレイングの一つではないでしょうか。