超量について①概説、サンプル

今期も残すところあと2週間ほどで制限改訂が発表され、環境の固定化に対する是正が施されることを予想し、現環境も終わりを迎えると同時にまとめ、そして新たな環境に対しても向かっていく時期に差し掛かってると思います。
最終的にはEMEmの一極化、それに追随する形で彼岸、そしてその下に帝、という風に推移していきました。そのため、何を考えるのにも必ずEMEmを意識しなくてはならないため、構築やプレイングにも幅が出ず、非常に窮屈な状態だったと思います。今回は、そんな状況ですが、自由な発想による、少し面白いデッキを考えていきたいと思います。

11月に発売されたSPWRの新規テーマのひとつである超量は、優秀な各レベルの汎用エクシーズと非常に強力なフィニッシャーであるグレートマグナスを主体とし、下級とフィールド魔法を駆使しそれらをいち早く並べていくタイプのデッキです。
元来、エクシーズは同レベルのモンスターが2体以上並んで初めて行える召喚方法であり、特殊召喚を一度経由しない限り、基本的には行えない召喚方法でした。ペンデュラムやその他展開カードなどもそうですが、とにかくモンスターを並べていき、それらをエクシーズするという形での召喚が主だったと思います。
超量は、フィールド魔法があれば手札コスト一枚でエクシーズモンスターを展開出来るため、例に出すと増殖するGやミドラーシュの影響を最小限に止めることが出来る可能性があります。グレートマグナスに繋げる条件も比較的緩めに設定されているため、将来性は高いデッキタイプだと思います。

a.組むに当たって
基本的にまだ種類が少ないため、一部を除いてテーマカードは最大限積んでいく方向が望ましいと思います。そしてそれらをサポート出来る汎用カードを投入し、原型を作る状態です。
エクシーズモンスターは素材縛りがないため、どのようなカードでも繋げることが出来ます。それにより超量をメインに据えなくても、従来の3、4、5軸の出張ギミックによっても戦えるため、構築の幅も広いといえます。

b.特色
超量はサーチ、サルベージ、展開が一律に揃っており、テーマ内でも一応完結しています。そのため、先ほども書いた通り、他のギミックとの親和性も低くなく、プレイヤーそれぞれの個性によって違う動きが出来ます。エクシーズ自体の性能も高いため、構築に応じて柔軟に対応出来ると思います。
しかし、テーマ内で完結させるためには、あとひとつ足りません。それはフィールド魔法の手札コストによる継戦能力、リソースの確保です。

c.構築案
継戦能力は、今現在の環境デッキにおいては標準搭載状態であり、それの有無で環境か否かが分かれているといっても問題ないレベルです。持続的なリソースの確保が戦っていく上では必要不可欠であり、超量を純構築するにはその点が足りません。そこをいかに補うかが構築の課題点だと考えています。
手札リソースの確保を考えるならばヴォルカニック、圧倒的なカードパワーによる展開が出来るEMやEm、汎用性の高いAFなど、様々なパターンが考えられますが、ここではそれらとは違うテーマと複合させていきたいと思います。それは、マジェスペクターです。

d.超量マジェスペクター
サンプルレシピ f:id:seshiguitar:20151202035241p:plain

マジェスペクターは、場に出すことで後続や妨害札をサーチし、手札を切らすことなく継続させることが出来ます。ガジェットなども同様ですが、マジェスペクターはペンデュラムカードであるため、スケールを揃えることで恒久的にデッキを圧縮しつつ手札を増やせます。その点では継戦能力は高いといえます。また、マジェスペクターは3、4軸であり超量のエクシーズに繋げやすく、耐性によりある程度の場持ちも期待出来、さらに除去も行えるため、補助テーマとしては及第点だと思います。

マジェスペクターを混ぜる理由としてさらに、超量士グリーンレイヤーの存在があります。このカードはマジェスペクターと同じ風属性・魔法使い族のため、一部サポートを共有出来ます。テーマ外ではありますが、活かしていける点だと思います。
また、マジェスペクターは本来エクシーズに使ってしまうとエクストラに戻らないため、リソースの確保がしにくい面がありますが、リビデや蘇生によって墓地から再び場に出せるため、これも共有出来ます。

e.基本的な動き方
超量をメインにしている構築なので、それに沿った動きをとります。そこにマジェスペクターを絡め、フィールド魔法の手札コストを確保しつつペンデュラムによる展開やエクシーズの補助を行えればベストです。
緊急テレポートから入ることが出来れば、ブルーレイヤーからサーチを行い、ラクーン等で手札を増やしながらフィールド魔法を使わなくてもエクシーズを立てることが可能であったり、複数体エクシーズを立てることも出来ます。準備が整ったらグレートマグナスを出しにいき、制圧しながらさらに展開していくことで万が一グレートマグナスを返されたときでも対応がしやすく、また、グレートマグナスを倒させない動きもとれます。一応マジェスペクターのフィールド魔法も入っているため、マジェスペクターオンリーでも時間稼ぎが出来ることも考慮に入れられます。
しかし、メリットばかりではなく総じて複雑なデッキであるため比率や引きとの噛み合いがシビアであり、事故を起こすことも多いのでよく考えて構築していくことが必要です。これはあくまでサンプルなので、他にも有用なギミックを積むことや、また新たなテーマとの混合なども充分あり得ます。

f.まとめ
一見まったく噛み合っていなくても、よく組み立てていくと面白い発見が出来ると思います。環境の一極化で固定観念のようなものをもった状態ではなく、現環境に対するまとめや新環境に向けた柔軟な発想をもち、考えていくことがカードゲームの醍醐味のひとつではないでしょうか。